今日の日本経済新聞のニュースで、2017年度の確定申告で仮想通貨取引を含めた収入が1億円以上あったと申告をした人は331人であると国税庁が発表したとの記事がありました。
記事によると、「全体の申告から公的年金以外の雑所得の収入が1億円以上あった549人を抽出。このうち、仮想通貨取引による収入があったのが331人だった。同庁が仮想通貨関連の申告の集計結果を公表するのは初めて。」とも記載されています。
国税庁のホームページに掲載されている「平成29年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について 」を見てみましたが、平成29年度所得税等の確定申告書の提出人員は2,198万人で前年から28万7千人増加(+1.3%)のようです。仮想通貨により申告した人の影響はどれ位なのでしょうか。
日本経済新聞では、「業界関係者は「実際はもっと多いはず」と指摘している。」とも記載していますが、確かに申告をしていない人がいるのかもしれませんね。今までに確定申告と関係がなかったサラリーマンの方等の中には確定申告をする必要があるという事を認識していない可能性もありますし。
気になったので、他のサイトも見てみると、NHK NEWS WEBでは以下のような記載をしていました。
「国税庁によりますと、去年分の所得税を納めるため確定申告をした個人事業主やサラリーマンは640万人で、所得税の総額は前の年よりも4.6%多い3兆2037億円でした。」
この記事だけで判断はできませんが、個人事業主やサラリーマンの申告数の増加比率が全体の申告数の増加比率1.6%よりも多い4.6%になっているので、仮想通貨で所得がでた人の影響は全体の申告数を押し上げているようではあります。
また、NHK NEWS WEBでは、「日本仮想通貨交換業協会によりますと、国内の主な交換業者には仮想通貨の取引を目的にした口座が350万あり、ことし3月末の時点で仮想通貨の時価が1億円以上の口座は268あったということです。」
「仮想通貨の取引で1億円以上の収入があったと見られる人が300人を超えたことについて、仮想通貨に詳しい麗澤大学の中島真志教授は「1億円以上の利益が出た人は『億り人』ともてはやされたが、仮想通貨に投資しているのは200万人から300万人いるとされているので、ごく一部だ。去年、ブームが始まる前に多額の仮想通貨を買い、上昇局面で売り抜けた人に限られるということだろう」と話しています。」とも記載されています。
3月末時点で、1億円以上の時価になっている人は、268÷350万人とすると、割合ではなんと0.007%!!
ごく一部の方が成功したということが分かります。
ちなみに、この情報は3月末の時価なので、確定申告の対象となる2017年12月末時点の情報とは異なります。
仮想通貨は、2017年度に高騰した後に、時価が下落していますので、『億り人』は2017年12月の331人から2018年3月末には268人にまで減少しているのかもしれません。
ただ、仮想通貨取引が所得になるタイミングは売却時なので、2017年度内に売却していないという理由で申告をしていない人がいるとすると、もっと減少しているのかもしれません。
国税庁が公表している「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」によると、仮想通貨取引は売却時以外に、他の仮想通貨との交換時、仮想通貨の分裂(分岐)時、マイニングにより取得した時にも所得になるとされています。
今までに確定申告の経験がない方が理解するのは難しいと考えるが普通だと思いますが、国税庁は「仮想通貨の取引に伴う所得はおおむね適正に申告されたのではないか」と発表しています。
2018年度の申告の状況はどのようになるのでしょうか‥‥。