関東経済産業局が、2018年7月からベンチャー企業と中堅・中小企業のマッチングによる生産性革新・新事業展開の事業化支援プロジェクトへの参加企業を募集していますのでご紹介します。
目次
1.事業の概要
全国のベンチャー企業(主にシード、アーリー期、起業5年以内程度)と中堅・中小企業がマッチング対話を行い、ベンチャー企業の成長支援とともに、組手となる中堅・中小企業の生産性革新や新事業展開も目指し、オープンイノベーションを通じた両者連携による事業化を支援するプロジェクトです。
2.スケジュール
・事業者公募:7月~(ベンチャー企業10社程度、中堅・中小企業20社程度)
・連携プロジェクトの組成:9月~(個別マッチングを10社程度実施)
・共同開発:10月~11月(採択プロジェクト2社以上、月1,2回の開発会議)
・事業化(目標):2月(都内にて成果披露会の開催)
3.対象者
☆中堅・中小企業(大企業可)
・製造業、物流・倉庫業、建設業、サービス業等
・工程(在庫管理、受発注管理、需要予測、設備稼働把握、外観・異物検査、開発工程、カスタマーサービス等)における課題やニーズを有している
・AI、IoT等に強みを有するベンチャー企業との連携を通じ、生産性革新・新事業展開を実現させたい企業
☆ベンチャー企業
・主にシード期、アーリー期のベンチャー企業(目安として起業5年以内程度)
・既にある程度、IoT、AI、ロボティックス等によるソリューションのプロトタイプを保有している
・適切な製造業、物流・倉庫業、建設業、サービス業等との共同開発を通じ、プロトタイプの完成度を高めたい企業
4.期待されるメリット
☆中堅・中小企業(大企業可)
・自社のネットワークでは、なかなか出会うことのないベンチャー企業との接点ができます
・事前に御社の課題・ニーズをうかがい、御社に最適と思われるベンチャー企業を御紹介します
・マッチング成立後には、スピード感のあるベンチャー企業との共同開発を体験することができます
・開発期間中は、弁護士・弁理士等の専門家による知財相談を無料で受けることができます
☆ベンチャー企業
・自社ネットワークではアクセスが難しい共同開発を希望する中堅・中小企業との接点ができます
・御社のソリューション・強みをもとに、課題解決を必要としている中堅・中小企業を御紹介します
・開発期間中は、弁護士・弁理士等の専門家による知財相談を無料で受けることができます
5.事業実施機関
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング事業本部 名古屋BU 経営戦略部
6.その他、感想
関東経済産業局のオープンイノベーションを促進する取り組みは関東経済産業局ホームページで確認できます。
精密計測・微細加工分野における中核企業の事業拡大・技術力向上の支援を目的とした精密計測・微細加工プラットフォームというものもあるようで、現在2社がオープンイノベーションにより詳細設計、試作開発に進む予定になっているようです(2018年7月7日時点で、4月以降に試作開発の予定と関東経済産業局のホームページに記載があります。更新されていないので、正確な情報でない可能性があります。)
今回は、技術分野を限定せず、ベンチャー企業とのマッチングを目的として募集をかけているので、ニーズのある企業の募集と適切なマッチングをするのは大変な取り組みになるように思います。
また、現時点ではスケジュールは予定のようですが、7月に募集をかけ来年2月に事業化を目標とするので、短期間で成果が求められるプロジェクトになっています。ベンチャー企業の貴重な時間を拘束する訳なので、成果を優先した取り組みならない事を願いたいです。
ただ、中堅・中小企業との連携をする機会がないベンチャー企業はたくさんあり、ニーズのあるベンチャー企業も多いと思いますので、チャレンジ精神を持って募集して取り組む企業が多くなることを期待しています。