1.中小企業経営力強化資金とは
中小企業経営力強化資金とは、経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓を行おうとする方で、かつ事業者自ら事業計画の策定を行い、認定 経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方が、当該事業計画の実施のために必要とする設備資金及び運転資金を対象とした日本政策金融公庫の融資制度です。
2.創業者も利用できるのか?
中小企業経営力強化資金の利用できる方の対象は、以下のようになっています。
次の①または②に当てはまる方
①次のすべてに当てはまる方
・経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
・事業計画書を策定し、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新など支援機関による指導および助言を受けている方
②次のすべてに当てはまる方
・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を完全に適用している方または適用する予定である方
・事業計画書を策定する方
結論からいうと創業者でも利用することが可能です。
ただし、認定支援機関と一緒に事業計画書の作成が必要で、日本政策金融公庫に融資の申し込みをした後に、提出する書類(事業計画書)には認定支援機関の署名・捺印が必要になります。
認定支援機関については、こちらの記事にもご紹介していますので、ご参照下さい。
3.経営革新の要件を満たすには?
申請者の要件として「経営革新~」とありますが、この経営革新という意味については、中小企業診断士の専門分野といっていいと思います。中小企業診断士試験では、出題されますが、税理士試験、公認会計士試験では出題されることはありません。税理士や資金調達コンサルタントとして融資の支援をしている方でも、専門でない場合には意味が分かっていない方がいるかもしれません。
中小企業等経営強化法では、経営営革新を「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」と定義していて、「新事業活動」とは、以下に記載した4つに類型された「新たな取組み」の事をいいます。
①新商品の開発又は生産
②新しいサービスの開発又は提供
③商品の新たな生産又は販売の方式の導入
④サービスの新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
そのため、融資の面談をうける時に提出する事業計画書には、新商品や新しいサービス等であることをアピールする必要があるわけです。
また、「経営の相当程度の向上」とは、「付加価値額」及び「経常利益」の増加をいいます。そのため、事業計画を作成する上では付加価値額、経常利益が増加していく計画を策定する必要があります。
通常、事業計画を策定する時にマイナスになっていく計画を作成することはないと思いますので、問題はないかと思いますが、付加価値額、経常利益をどのうにして増加させていく計画にするのかという点は、融資の面談時にしっかり回答できるように認定支援機関と一緒に計画を作成していく事になります。
4.中小企業経営力強化資金で申請するメリット
①低利率
②無担保、無保証
中小企業経営力強化資金の場合には、認定支援機関が事業計画書の作成をサポートすることが条件となっていますが、認定支援機関のサポートがある事業計画書は日本政策金融公庫の信頼性がアップしたものになります。
そのため、他の創業融資よりも利率が低くなり、融資の成功確率も高くなるとお考えいただいてよいでしょう。
申請者の事業計画や資金等の状況によっては、担保、保証付きの方が、申請が通りやすくなることはありますので、全てのケースで当てはまるとは断言できませんが、無担保、無保証でも借入が可能な融資制度です。
その他、借入内容の詳細は日本政策金融公庫のホームページをご確認下さい。
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