補助金、助成金を使ってみたいけれど、自分の会社でどのような補助金、助成金が使えるか分からないから教えて欲しいという相談を受けることが多いです。
また、現状として補助金、助成金を活用できない会社が多くあるという印象を受けています。
そこで、補助金、助成金の活用方法についてまとめてみました。
該当する補助金、助成金の内容を知りたい場合には、目次の6までは読み飛ばして目次の7から読んで頂いてもOKです。
目次
1、補助金、助成金の特徴
まず、簡単の補助金、助成金の特徴を理解したいと思います。
①補助金、助成金は、国の政策目的に沿って募集される。
国には様々な政策目標があり、政策目標を達成するために、目的にあった補助金に予算を付けて事業者に補助金を交付します。
例えば、創業者を増やす必要があるという目標があった場合には、創業補助金の予算を増やして、創業する人にお金を補助する。
最近では、中小企業の経営者の高齢化により廃業が増えてきているので、事業承継を促進することが国の課題になっています。そのため、事業承継補助金に予算を付けて、事業承継をする事業者にお金の補助をする。という流れで補助金の申請の募集がかけられ交付がされます。
逆にいうと国の政策によって、予算配分が左右されるため、今年はあった補助金が来年はないという事もあります。
ただし、国が政策目標にしているという事は、国が様々な統計を取り分析をした結果出た国の課題になる訳ですから、事業をする上でもビジネスチャンスになるものと考えていいと思います。
また、今まで事業をしていて「取り組んでみたいけれどお金が足りない。」という事業者の方にとっては、お金の補助が出るので取り組みをするチャンスになります。
そのため、どのような目的で補助金が募集されているかという情報収集をすることは大切なことだと思います。
②補助金、助成金は返済不要である。
補助金、助成金は、融資とは異なり基本的には返済不要なお金です。借入金のように利息が付くこともありません。
補助金、助成金は、事業者にとっては、会計上収益になるという特徴があります。
③補助金、助成金の内容によって、条件が異なる。
補助金、助成金には、その内容によって、上限が定められていたり、補助率や申請時期が限定されます。
すなわち、事業をする上で必要なお金の全てが補助されるとは限らないという点には注意する必要があります。
例えば、補助率1/2で募集がされている補助金の場合には、必要資金の1/2は自己負担する必要があります。
また、補助金、助成金によって、募集がされる時期が異なりますので、いつ申請してもOKという訳ではありません。
逆にいうと、恒例になっている補助金、助成金があれば、早めに申請の準備ができます。
④補助金、助成金は後払いである。
補助金、助成金は基本的には後払いになります。
申請して先にお金が交付される訳ではなく、一般的には、以下の流れで交付されます。
「申請→審査→採択→事業計画の実施、完了→交付、入金」
2、補助金と助成金の違い
補助金も助成金も一定の条件を満たした後に、一定の期間を経過すると支給がされる点は共通ですが、以下のような違いがあります。
①交付元、財源
補助金、助成金は国、地方公共団体と多数の種類がありますが、ここでは、補助金、助成金を活用していく上で主に知っておきたい内容から比較させて頂きます。
補助金の主な交付元は経済産業省、助成金の主な交付先は厚生労働省という違いがあります。
そのため、支給されるお金の財源も補助金は税金、助成金は雇用している事業所が加入している雇用保険という違いがあります。
②交付の目的
補助金の場合には、主に経済産業省が所轄になりますので、交付の目的は経済の活性化、地域活性化といった経済産業の内容になります。
一方で、助成金の場合には、主に厚生労働省が所轄になりますので、交付の目的は、雇用や労働環境の改善など厚生労働の内容になります。
③採択
補助金の場合には、応募要件を満たしていたとしても必ずしも採択されるとは限りません。
補助金を申請する時には申請書類を作成する必要がありますが、通常、申請書類の中に事業計画書があります。
この事業計画書の内容が審査され、優秀な内容から採択されることになります。そのため、特に採択率が低い補助金の場合には、応募要件を満たしたとしても事業計画書の内容が評価されずに採択されないことがあります。
一方で、助成金の場合には、受給要件が満たして申請が受理され、計画通りに計画を実施すれば、基本的には支給の対象になります。補助金のように、他の事業者の申請内容と比較して事業計画の内容がより素晴らしいことをアピールする必要はありません。
当然、受給内容に不備があれば受理されませんが、窓口で指摘を受けても対応することが可能な内容であれば対応することで受理が可能です。
3、補助金、助成金を活用するメリット
①事業外の収益として計上できる。
補助金、助成金は、事業者にとっての収益となります。
本業の収益ではありませんが、会計上は事業外の収益として計上できます。
継続する制度を活用することで、計画的に収益を計上することも可能です。
また、税務上は、収益に計上されることで法人税が課税されることになりますが、雇用関係の助成金の場合には消費税が課税されないものがあります。
②費用の支払いを削減できる。
補助金、助成金が交付されれば、もともと支払う必要があった経費、人件費の支払いの一部が補填されることになります。
必要なキャッシュアウトフロー(お金の支出)が減少することになりますので、費用の支払いを削減できるという点がメリットとして挙げられます。
③事業計画を作成するきっかけになる。
補助金の場合には採択されるために、事業計画書を作成することになります。
事業計画書を作成することで、事業の目標を明確にし行動の指針とすることができますし、従業員への事業の共有や、金融機関や取引先への事業説明や営業の時にも利用できます。
また、厚生労働省の助成金では、就業規則や人事評価制度、教育訓練計画等を作成することになりますが、これまで作成されていなかった規則等を整備することで、労働環境の改善のきっかけにすることができます。
いずれも従業員の満足度向上にもつながるという点もメリットとして挙げることができるかもしれません。
④社外へのアピールになる。
補助金、助成金は公的機関の審査を得ますので、補助金、助成金を活用できていると、社会的な信頼性の向上につながります。
自社の事業と関連のある補助金、助成金であれば、自社で適用するだけでなく、営業ツールとして活用することもできるでしょう。
また、金融機関からの評価も高まる可能性があります。
4、補助金、助成金のデメリット
①手続きが多く手間がかかる。
補助金、助成金を申請する上では申請書類を作成する必要がありますが、申請書類一式を揃えるのは面倒です。また、申請書類の作成の中には事業計画書等の時間がかかるものがあります。
専門的な用語等があるため自力で作成する場合には、調べる時間も馬鹿になりません。
申請の準備に取り掛かったものの、結局申請しないでも終わってしまった。申請したけれど採択されずに無駄な時間を費やしてしまったという事もあります。
専門家に委託してしまった方が早いですが、専門家に委託する場合には着手前に手付金がかかるのが一般的で金額も安くはありません。
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②一定期間のモニタリングがある。
補助金、助成金によっては、申請して受理された後に一定期間の事業計画のモニタリングがあるものがあります。
申請して通ったから終わりではなく、その後にも事業の状況を報告しなくてはいけないため、一定期間に渡って事務作業の時間に拘束されます。
もともと補助金、助成金はお金をもらうのが目的ではなく、補助金、助成金の目的に沿った事業をして改善していくことですので、事後的な報告が必要なのは当たり前ですが、一定期間に渡って時間が拘束される点は念頭においていた方が良いでしょう。
③成果がでるとは限らない。
補助金、助成金を活用して新しい事業や取組を行ったとしても成果が出るとは限りません。
分かりやすい例でいうと、補助金を使ってホームページを導入したけれどアクセスが全くないため、無駄だったという事は当然起こり得ます。
また、厚生労働省の助成金でいうと、労働環境を整備する過程では一時的に業績が下がる可能性もあります。教育訓練、有給休暇の時間だけ営業の時間が減少することがあるからです。
そのため、事業に成果が出ること目的として補助金、助成金の活用に取り組むこと。成果は短期的には出ない可能性があることを踏まえて計画を作成することが大切だと思います。
5、補助金、助成金を選ぶ時のポイント
①事業の達成したい目的とマッチしているか。
お金をもらうために事業計画を歪曲させて補助金、助成金を獲得することも不可能ではありませんが、補助金、助成金の申請には一定の時間、コストがかかります。
当たり前ですが、ただ単にお金が欲しいという理由だけではなく、達成した時に効果が出るもの、事業の達成したい目的とマッチしたものを選んだ方が良いです。結果的には採択される可能性も高くなるはずです。
②予算の大きさ、採択率の高さ
補助金、助成金の種類は多数ありますが、まず検討したいには予算の大きさでしょうか。
予算が大きいということは採択率も高くなりますので、最初に申請する際には達成可能性も高くなり良いと思います。
また、継続して実施されている補助金の場合には、過去の採択率を確認することができますので、採択率の高さ、競争率も踏まえて選ぶのが良いと思います。
③申請が簡単か。
募集要項の条件に該当することが不可能であれば、申請はできませんが、募集要項の条件に該当するかが微妙なケースなどでは詳細な内容を事務局に確認することで申請可能になることもあります。
ただ、最初は申請書類の内容が簡単なものから選んだ方がスムーズに申請できると思います。
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6、補助金、助成金を申請する時の注意点
補助金、助成金を申請する上での一般的な注意点を記載します。
①虚偽の内容がないか。
事業計画書上、設備を購入する計画にしているのに、実際は設備を購入するつもりはない。偽造の領収書を作成する等の虚偽の行為は絶対的にNGです。
事後的に取り消される可能性がありますし、金額が大きい内容の場合には不正受給等でマスコミ報道されているケースもあると思います。信頼を失い事業そのものの継続も困難になる可能性があります。
②申請期限
補助金、助成金の内容によっては、申請期限が書類とデータ送信の場合で時間が異なるケースもあります。
申請期限は、応募要項や公式のWebサイトで確認しましょう。
また、余裕を持ったスケジュールで準備を行いましょう。
③専門家の選択
税理士、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士、その他の方など様々な方が補助金、助成金の申請のサポートをしています。
ただ、国家資格によって、専門分野が異なり、各士業ごとにも得意分野が異なります。また、実務経験も人によって異なります。
以下、専門家に依頼する上での参考を記載します。
・中小企業診断士は、試験科目に「中小企業経営・中小企業政策」という科目があり、補助金、助成金の専門的な内容の知識を習得しているのが強みといえます。補助金、助成金に関連する情報の多さは他士業より多いと思います。
ただ、補助金の申請支援は中小企業診断士の独占業務ではありません。また、中小企業診断士は、様々な分野で活動しており、それぞれの得意分野が異なりますので、依頼を考えた場合にはその方の実務経験を確認するのが良いと思います。
・厚生労働省関連の助成金については申請代行ができるのは、社会保険労務士だけですので、偽の業者は注意した方が良いです。ただ、社会保険労務士の中にも給与計算を中心に業務をしている方もいますので、得意分野を確認した方が良いと思います。
・設備投資や人材投資、採用に関連する補助金、助成金の場合には、税務上の優遇措置があることがあります。その場合には税理士の知識がないと、特典を活用しきれないことがあります。税務のアドバイスをして良いのは税理士だけです。偽の業者には注意した方が良いです。
ただ、税理士でも補助金、助成金に詳しくない方もいるので、補助金、助成金申請に対応している税理士、もしくは中小企業診断士や社会保険労務士と連携している税理士に依頼をした方が安心だと思います。
7、活用したい補助金、助成金の一覧(2018年10月時点)
7.1 経済産業省関連
①ものづくり補助金
ものづくり補助金という名前は聞いたことがある方もいると思います。
平成29年度補正予算での正式名称は、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」と言います。以下に概要を説明します。
・事業の目的
→足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援する補助金です。
・利用できるのは?
→日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人。業種毎に資本金と従業員数で制限がありますが、大企業ではなければほぼ該当するはずです。
「ものづくり補助金」と呼ばれることが多いため、勘違いする可能性がありますが、製造業には限定されず、サービス業、小売業等他の業種でも申請可能です。
1社単独ではなく、他企業と連携しての申請も可能です。
・どのような場合にマッチするのか?
→機械装置やソフトウェアの設備投資を考えている場合には、検討の余地があります。
・どのような支援が得られるのか?
→補助対象となる経費について補助率が1/2以内~2/3以内で、500万円~1,000万円を上限にして補助金が支給されます。
・公募の時期は?
→平成29年度では、1次公募が平成30年2月28日~平成30年4月27日、2次公募が平成30年8月3日~平成30年9月10日の期間で行われました。
来年も大きな方針が変わらなければ、年明け3月までに1回、夏に1回のイメージで準備をするのが良いでしょう。
・採択率は?
→平成29年度では、1次公募の応募17,275者の中で9,518の補助事業者が採択されています。
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
②小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の事業の持続的発展を後押しするため、小規模事業者が、商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って取り組む販路開拓等を支援するものです。
・事業の目的
→持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組み(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、地道な販路開拓等とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の 取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
・利用できるのは?
→全国の小規模事業者
・小規模事業者とは、「製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(会社<企業組合・協業組合を含む>および個人事業主)」であり、常時使用する従業員の数が20人以下(卸売業、小売業、 サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下)の事業のことを言います。
・個人事業主も対象になります。
・複数の事業者による共同事業でも申込が可能です。
・どのような場合にマッチするのか?
→チラシの作成、ポスティング、マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告、販促品の配布、展示会や商談会等への参加、店舗の改装、陳列棚の購入、レイアウト変更、PRイベントへの参加等の販路開拓を新たに取り組む場合
・どのような支援が得られるのか?
→補助対象となる経費について補助率が2/3以内で、50万円~500万円を上限にして補助金が支給されます。
・公募の時期は?
→平成29年度では、平成30年3月9日~平成30年5月18日の期間で行われました。
・採択率は?
→平成29年度では、応募26,910件。採択者数の実数は公表されていませんが、約18,500社が採択されています。
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
③IT導入補助金(募集中)
平成28年、平成29年度の予算の中で実施されている事業で、現在は平成29年度予算の3次公募をしています。
平成30年度に継続するかは分かりませんので、今がチャンスの補助金です。
3次公募のタイミングで事業実施後の報告期間が5年から1年に短縮した点も負担が減ったので良いですね。
・事業の目的
→IT導入補助金は、小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。
・利用できるのは?
→中小企業・小規模事業者等が対象です。
個人事業主も申請可能です。
・どのような場合にマッチするのか?
→ITツールの導入を検討している場合。ITツールはホームページの作成、SEO対策、外国語対応、スマホ対応、クラウド会計の導入等の小規模のものから販売システムや在庫管理システム等の基幹システムの構築まで、様々なツールが対象になります。
・どのような支援が得られるのか?
→補助対象となる経費について補助率が1/2以内で、50万円を上限にして補助金が支給されます。
・公募の時期は?
→平成29年度では、1次公募が平成30年4月20日~平成30年年6月7日、2次公募が平成30年6月20日~平成30年年8月3日の期間で行われました。
現在、3月公募中で期間は、平成30年9月12日~平成30年11月19日です。
・採択率は?
→平成29年度の1次公募、2次公募の採択率は90%超です(事務局がチラシで記載していますので、間違いないはずです)
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
IT補助金については関連する記事を書いています。IT導入補助金の採択のポイントについては、こちらの記事を、クラウド会計の導入については、こちらの記事もご参照下さい。
④消費税軽減税率対策補助金(募集中)
2019年10月に消費税が10%へ引き上げられます。その際に複数の税率への対応が必要になる中小企業、小規模事業者のためにできた補助金です。
今回の消費税の引き上げ時には、一定の対象品目についてだけ10%ではなく8%の軽減税率が適用されるため、複数の税率への対応が必要になる事業者が出てきます。そのような事業者を支援する補助金です。
・事業の目的
→消費税軽減税率制度の実施に伴い対応が必要になる中小企業、小規模事業者等に対して、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等に要する経費の一部を補助することにより、導入等の準備が円滑に進むように支援する制度です。
・利用できるのは?
→消費税軽減税率制度(複数税率)への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等であって複数税率対応レジの導入等や、電子的な受発注システムの改修等が必要となる事業者です。
個人事業主も申請可能です。
・どのような場合にマッチするのか?
→テイクアウトや飲食料品の出前、宅配をしている飲食店
・どのような支援が得られるのか?
→複数税率対応のレジを導入する場合には、補助率1/2~3/4、1台当たり20万円が上限で、レジ、タブレットの導入費用が補助されます。
受発注システムを導入する場合には、補助率2/3、上限が150万円~1,000万円でシステムの入れ替え、改修の費用が補助されます。
・公募の時期は?
→2019年9月30日までに導入、改修等が完了したものが支援対象となります。
交付申請は上記を前提に2019年6月28日までとなっています。
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
⑤創業補助金(募集中)
創業者のための補助金です。平成29年度予算では「地域創造的起業補助金」という名称で公募されました。
(平成30年10月31日までの期限で東京都の創業者を対象とした助成金の公募もあります。詳細は、こちらの記事をご参照下さい。
・事業の目的
→新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を助成するものです。
・利用できるのは?
→新たに創業する者。
その他、一定の条件があります。
・どのような場合にマッチするのか?
→創業する場合
・どのような支援が得られるのか?
→給与等の人件費(自分に支払うものは駄目です)や事業の必要な経費について補助率1/2以内、50万円以上~200万円以上の補助金が支給されます。
・公募の時期は?
→平成29年度では、平成30年4月27日~平成30年年5月22日。
短期間での公募でしたので、事前の準備があった方が良い補助金といえるでしょう。
・採択率は?
→平成29年度は、応募総数358件、採択総数120件でした。
応募件数、採択件数も過去と比較すると少なくなってきており、創業者を応援したい私にとっては残念な状況ですが、競争の母集団が少なくなっているので、起業することが計画されているのであれば事前準備をして申込みをする価値はあると思います。
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
関連する記事はこちらにもあります。
⑥事業承継補助金
事業承継補助金は、今注目したい補助金の一つだと思います。
後継者不足による廃業は、日本の大きな課題となっているので、来年も予算が付くはずです。
・事業の目的
→ 事業承継補助金は、事業承継やM&Aなどをきっかけとした、中小企業の新しいチャレンジを応援する制度です。
経営者の交代後に経営革新等を行う場合や事業の再編・統合等の実施後に経営革新等を行う場合(II型)に、必要な経費を補助するものです。
・利用できるのは?
→日本国内で事業を営む中小企業・小規模企業者等、個人事業主、特定非営利 活動法人(以下、「中小企業者等」という)であること。
ただし、承継者が、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
・経営経験がある。
・同業種に関する知識などがある。
・創業・承継に関する研修等を受講したもの。
・どのような場合にマッチするのか?
→代表者交代による事業承継をする場合、事業再編や事業統合を含む事業承継をする場合
・どのような支援が得られるのか?
→経営者承継支援型の場合には、補助対象となる経費について補助率が1/2以内~2/3以内で、375万円~500万円を上限にして補助金が支給されます。
事業再編、事業統合支援型の場合には、補助対象となる経費について補助率が1/2以内~2/3以内で、900万円~1,200万円を上限にして補助金が支給されます。
・公募の時期は?
→経営者承継支援型
1次公募:平成30年4月27日~平成30年6月8日
2次公募:平成30年7月3日~平成30年8月17日
3次公募:平成30年9月3日~平成30年9月26日
→事業再編、事業統合支援型
1次公募:平成30年7月3日~平成30年8月17日
2次公募:平成30年9月3日~平成30年9月26日
・採択率は?
→経営者承継支援型
1次公募:応募総数481件、374件採択
2次公募:応募総数273件、224件採択
→事業再編、事業統合支援型
1次公募:応募総数220件、119件採択
詳細の内容は事務局ホームページでご確認下さい。
事務局のホームページはこちらです。
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7.2 厚生省関連
①トライアル雇用助成金
35歳未満を対象者にして安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れる時の「一般トライアルコース」、障害者を試行的・段階的に雇い入れる時の「障害者トライアルコース 」、建設業の中小事業主が若年者(35歳未満)又は女性を建設技能労働者等として試行雇用する時の「若年・女性建設労働者トライアルコース」があります。
・概要
職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者や障害者、について、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成するものであり、それらの求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、求職者および求人者の相互理解を促進すること等を通じて、その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
・支給額
基本は、支給対象者1人につき月額4万円
対象労働者が精神障害者の場合には、月額最大8万円を3か月、月額最大4万円を3か月(最長6か月間)
・支給対象期間
支給対象者のトライアル雇用に係る雇入れの日から1か月単位で最長3か月間(以下「支給対象期間」という)を対象。この支給対象期間中の各月の月額の合計額がまとめて1回で支給される。
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
②特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)
障害者を初めて雇い入れる場合助成金です。
・概要
障害者雇用の経験のない中小企業(障害者の雇用義務制度の対象となる労働者数45.5~300人の中小企業)が障害者を初めて雇用し、当該雇入れによって法定雇用率を達成する場合に助成するものであり、中小企業における障害者雇用の促進を図ることを目的としています。
・受給額
120万円
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
③特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)
65歳以上の高年齢者を雇い入れる時の助成金です。
・概要
雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、一年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
・支給額
1年以上の雇用が要件になっており、支給期間は1年。
一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満の短時間労働者の場合には、最大50万円(年2回支給)、短時間労働者以外の場合には最大70万円(年2回支給)
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
④生涯現役起業支援助成金
中高年齢者(40歳以上)の方が自ら起業し、中高年齢者等を雇い入れる場合の助成金です。
・概要
こちらの記事で概要や要件をご紹介しています。
・支給額
起業者が高年齢者(60歳以上)の場合には、助成率2/3、200万円を上限
起業者が上記以外の者(40歳~59歳)の者の場合には、助成率1/2、150万円を上限
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
⑤人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
評価・処遇制度や研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間制社員制度を整備する場合の助成金です。
・概要
事業主が、雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主)のみ)の導入等による雇用管理改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成するものです。
・助成額
制度を導入しただけでは助成はなく、目標を達成すると57万円が支給されます(生産性要件を満たすと72万円)。
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
⑥キャリアアップ助成金(正社員化コース)
有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用する場合の助成金です。
・概要
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。
・助成額
正社員化コースの場合には、
① 有期 → 正規:1人当たり57万円<72万円>(42万7,500円<54万円>)
② 有期 → 無期:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)
③ 無期 → 正規:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)
<①~③合わせて、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は20人まで>
受給要件等の詳細はこちらでご確認下さい。
⑦その他
厚生労働省の助成金は、上記以外にもたくさんあります。
目的別の一覧は、こちらで確認できますので、是非ご検討下さい。
7.3 目的別の補助金、助成金一覧
以下ではこれまで記載した内容を目的別に整理していますので、ご参考下さい。
①ホームページを導入したい。アクセスアップをしたい。
・小規模事業者持続化補助金⇒こちらをクリック
・IT導入補助金⇒こちらをクリック
②会社案内、チラシ、カタログを作成したい。
・小規模事業者持続化補助金⇒こちらをクリック
③設備を導入したい。
・ものづくり補助金⇒こちらをクリック
④販売システム、在庫管理システムなどのシステムを導入したい。
・ものづくり補助金⇒こちらをクリック
・IT導入補助金⇒こちらをクリック
⑤クラウド会計ソフトを導入したい。
・IT導入補助金⇒こちらをクリック
⑥採用を強化したい。
・トライアル雇用助成金⇒こちらをクリック
・人材確保等支援助成金⇒こちらをクリック
⑦従業員を教育したい。
・キャリアアップ助成金⇒こちらをクリック
⑧高齢者を雇用する予定だ。
・特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)⇒こちらをクリック
⑨障害者を雇用する予定だ。
・特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)⇒こちらをクリック
⑩創業したばかりだ。
・創業補助金⇒こちらをクリック
・生涯現役起業支援助成金⇒こちらをクリック
・創業助成金⇒こちらをクリック
7.4 補助金の採択のために申請しておきたい制度
最後に補助金の採択のために申請しておきたい制度をご紹介します。
補助金の審査時に加点項目となるので、平成30年度予算に向けて準備をしておくと良いと思います。
(実際に公募されるまでは、加点対象となるかは確実ではありません。あくまで実績ベースですので自己責任でご了承下さい。)
①経営力向上計画
経営力向上計画の内容は、こちらに記載しています。
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継補助金で加点になります。
補助金申請をこれから検討する上での最初のステップとして申請をしてみるのも良いと思います。
経営力向上計画の作成のポイントはこちらでご紹介しています。
②先端設備等導入計画
先端設備等導入計画は、「生産性向上特別措置法」において措置された、中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の加点になります。
また、固定資産税の課税標準を、3年間 ゼロ~1/2に軽減するという固定資産税の特例を受けることができるというメリットがあります。
③経営革新計画
経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。
経営力向上計画よりもハードルは高いですが、ものづくり補助金の加点となります。