創業、開業する前に準備しておくべき事は何であろうか。
個人事業主の開業届けであったり、会社設立の場合の設立届けや定款等の書類、口座開設、開業資金の準備や顧問税理士などの相談相手を探すといった事務的な内容も勿論重要だと思います。
ただ、今回は上記のような内容以外で、創業、開業前に準備しておきたい事項を挙げたいと思います。
これは、私自身が会計事務所を個人事業主として開業して感じた事や、創業後間もない方々を支援させて頂く中で感じた内容であります。
~創業、開業する前に準備しておきたかった事~
その一 :自分が成し遂げたい目標を明確にするという事
私の場合は、高校生くらいの時からぼんやりとサラリーマンではなく自分で何かの事業をしたいという気持ちがありました。そうはいえども何をしたら良いかは明確にはする事は出来ずに資格を取る事を目指すことになりました。実務の経験がないままに、商売になるようなアイデアが思いつく訳でもなく、ベンチャー企業に飛び込んでみようという発想もなくとりあえず堅実な未知を選ぶ事になりました。
当然、資格を目指して良かった点もあります(その点については、こちらの記事を記載しています)。
その後、監査法人やコンサルティング会社等での経験を経て、独立をしましたが、創業後間もない事業には、資格があったとしても売上を上げるのが大変です。会社のブランドもない。会社に守られていた時のように営業をする事はできません。
そのような状況の中で、仕事の話しを頂ければ、できる限り何でも引き受けようと思うようになりました。まだ小さい子供がいることもあり、生活費を確保するための家族からのプレッシャーもありました。
私以外の方でも、通常は、創業当初に仕事は多くないので、やりたい仕事ではないとしても断わらずに引き受ける方は多いでしょう。
確かに、生活を維持するために行動するのは当たり前で、将来につながるか分からない売上だとしても仕事を獲得することも大切だと思います。創業当初は、何でも良いから引き受けろという成功者もいらっしゃいます。
ただし、なんでもかんでも仕事を引き受ける事にも注意が必要だと思います。
目先の利益にとらわれない。
これは、個人的な教訓です。
私の場合には、運よく安定的な仕事の話しを頂くことができたのですが、独立当初に自分が考えていた本当にやりたい仕事、将来的に自分の事業を拡大させるために必要な仕事ではないものでした。本来の目標とは異なるものなのに仕事を引き受けた結果、自分の将来の事業のために使うべき時間がなくなり精神的にも負担がかかることになりました。
今やるべき事を懸命に取り組めば将来成功の道が開くことがあるかもしれません。そのため、現段階では答えはでていませんが、一つだけ間違いなくいえると感じたことは、
「自分が成し遂げたい目標を明確にするという事」がとても大切だということです。
事業を始めると、自分だけの判断で選択をしなくてはいけない時が必ず訪れます。この時の判断基準となるのが、自分が成し遂げたい目標であると思います。
ソフトバンクの孫正義は、「自分の人生に対するビジョンをしっかり持つべき」「志高く」と言います。
アップルの故スティーブジョブスは、毎朝、鏡の中の自分に「今日で死ぬとしたら、今日は本当にすべきことをしているのか。」と問いかけていたそうです。「その答えが何日もNoなら、何かを考える必要がある」と気づくと言います。
自分が成し遂げたい目標を明確しておく事は、経営判断に迷った時のより所になるはずです。
自分が成し遂げたいことでなければ長続きしません。困難に立ち向かうことは難しいです。
経営コンサルタントは、ビジョンを持つべき、ミッションを掲げろと言いますが、これは創業準備段階から考えおきたい大切な事象です。
創業、開業する前の準備段階では、本当に自分が成し遂げたいという思いを明確にしておくと良いと思います。