創業・開業

税理士監修 日本政策金融公庫に提出する創業計画書の作成のポイント④

日本政策金融公庫からの創業融資を受ける時に作成が必要になる創業計画書の作成のポイントを数回に分けて説明します。
以下に添付しているのは、実際に提出する創業計画書のフォーマットです。
今回は創業計画書の中の、「8.事業の見通し(月平均)」の作成のポイントを簡単にご紹介します。

目次

1.事業の見通し(月平均)

事業の見通しは(月平均)の欄は、「収支計画」を記載する欄になっています。
「収支計画」とは、これから始めようとする事業にどれ位の利益がでるかを考える計画です。
日本政策金融公庫の創業計画書では、創業当初と軌道に乗った後に分けて計画を作成します。
記載する項目と内容、留意点等は以下の表をご参照下さい。

創業当初 軌道に乗った後 内容、留意点等
売上高 ① 256万円 332万円 業種に応じた売上予測高を記入します。
売上原価 ②(仕入高) 90万円 117万円 原価率の業界平均値×売上高(①)
経費 人件費 60万円 78万円 従業員数×給与総支給額(月額)+パート人数×時給/日×日数
家賃 20万円 20万円 賃貸予定の家賃(月額)
支払利息 2万円 2万円 借入金×年利率÷12
その他 50万円 60万円 広告宣伝費や減価償却費(設備等を購入する場合)など
合計 ③ 132万円 160万円
利益 ①+②-③ 34万円 55万円 借入金(元本)の返済はここから支払います。個人事業主の場合には、事業主の人件費はここに含まれます。

2.作成のポイント

①売上高

業種毎に予測の算式が異なります。例えば、飲食業、美容院等のサービス業の場合には、「客単価×客数×回転数」、SES事業やコンサルティング業務の場合には「人員数×1人当たり売上高」で計画を策定します。

また、売上高の計画を策定する上では、事業の内容や出店する地域や場所等の状況によって、顧客の数は変わってきますので、事業の内容や開業する場所等を踏まえて達成可能と思ってもらえる計画を作成する必要があります。

②利益

創業計画書の収支計画では、借入金(元本)の返済を記載する欄はありません。借入金(元本)の返済は創業計画書の利益の中から支払います。そのため、借入金の返済が可能な十分な利益を計上できる計画を作成する必要があります。

また、個人事業主の場合や、法人でも給与を計画に織り込んでいない場合には、生活費を利益から出す必要がでてきます(自己資金として記載する以外に十分な生活資金があれば問題ありません)。

当然ですが、借入金の返済や生活費の支払いができない計画を作成してしまうと、お金を貸してくれる人はいません。

様々な創業計画書を見ていると、目標を高く設定する方がいる一方で、保守的な計画になり過ぎて利益が小さくなる方もいますので、注意が必要です。

3.まとめ(日本政策金融公庫の担当者から聞いた創業融資のポイント)

今回の内容の中で、日本政策金融公庫から融資を受ける時の最大のポイントは、「生きた情報の収集」です。

収支計画を作成する上では、売上高と利益の予測が必要になりますが、統計データだけでなく、実際に現地に行き、自分の目で見て、耳できいて、生きた情報を集めることが重要です。

融資の面談時には、出店予定の立地(人口構成や、競合の状況)の状況等を創業者ご自身で説明できると評価が高くなります。

当事務所では、創業者の皆様の事業の内容をヒアリングした上で、通りやすい創業計画書の作成をサポート致します。
初回の相談は無料です、お気軽にお問い合わせ下さい。

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