1日5分で学ぶ税金の話。
第2回目は、所得の種類について。
第1回目では、主な税金の種類を学びましたが、その中でも個人事業主やフリーランス、サラリーマンにかかわってくる所得税の話しです。
目次
1.そもそも所得って何だ
第1回目では、「所得」のことを「儲け」と表現しました。より正確に説明しますと、所得とは収入から経費を引いたものを意味します。
「収入」=「自分に入ってきたお金」から、「経費」=「自分が使ったお金」を引いたものが「所得」=「儲け」になります。
所得(儲け)=収入(入ってきたお金)-経費(使ったお金)
所得は、10種類に区分され、それぞれの所得ごとに計算方法が決まっています。
例えば、事業の売上以外に、株式を売却して利益が出たとか、駐車場やコインロッカーの収入がある、仮想通貨も持っているというと方の場合には、それぞれの収入の内容に応じて所得を計算することになります。
所得の種類を知っておくことは、節税を考えたり、税理士に相談する上の前提知識として抑えておくと良いでしょう。
2.所得の種類
所得の種類とそれぞれの内容を簡単に説明します。
①不動産所得
アパートや駐車場などの賃貸による所得
②事業所得
個人事業主、フリーランスがメインで行う仕事による所得
③山林所得
山、林を伐採して売った時の所得
④譲渡所得
株式を売買した時の所得
⑤給与所得
サラリーマン、パート、アルバイトの人の給与による所得
⑥退職所得
会社をやめた時に受け取る退職金の所得
⑦配当所得
株式を持っていて配当金を受けた時の所得
⑧利子所得
銀行などに預けている預金の利息により所得
⑨一時所得
宝くじ、懸賞金や競馬、競輪などの払戻金
⑩雑所得
①~⑨にあてはまらない所得。アフィリエイト収入、メルカリやネットオークション、仮想通貨による所得は基本的に雑所得になります。
2.それぞれの所得の計算方法
所得の種類ごとに計算方法が決まっていますので、それそれの計算方法を記載します。
まずは、細かい計算の内容まで理解しようとしなくてもOKです。
それぞれの所得の計算方法を見ることで、所得が「収入から経費を引いて」算定されていることが分かることが目的です。
①不動産所得
総収入金額ー必要経費=不動産所得
(参考)
不動産所得の必要経費の主なものは、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費です。
②事業所得
総収入金額ー必要経費=事業諸時
(参考)
事業所得の必要経費の主なものは、売上原価、給与賃金、地代家賃、減価償却費です。
③山林所得
総収入金額ー必要経費ー特別控除(最高50万円)=山林所得
④譲渡所得
収入金額-(取得費+譲渡費用)ー特別控除=譲渡所得
⑤給与所得
収入金額(源泉徴収される前の金額)ー給与所得控除額=給与所得
(参考)
事業所得等のように必要経費を差し引くことができないため、給与所得控除というものを差し引きます。
⑥退職所得
(収入金額(源泉徴収される前の金額)ー退職所得控除額)×1/2
(参考)
退職所得控除は、20年以下か20年超かで変わります。
⑦配当所得
収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額)ー株式などを取得するための借入金の利子
⑧利子所得
利子等の収入金額(源泉徴収される前の金額)=利子諸時
⑨一時所得
総収入金額-収入を得るために支出した金額ー特別控除額(最大50万円)=一時所得
⑩雑所得
(1)公的年金等
収入金額ー公的年金等控除額=公的年金等の雑所得
(2)公的年金等以外のもの
総収入金額ー必要経費=その他の雑所得
3.まとめ
所得の種類は全部で10種類ある。
そろぞれの所得について計算方法は決まっているが、収入から経費を差し引いて計算される構造である。